--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


2006.09.15

『大地の子』を読んで。

*daiti.JPG

朝夜と約40分の電車に揺られながら、さらに就寝前も夢中で『大地の子』山崎豊子/全4巻を読んだ。

沈まぬ太陽』で感銘を受け、立て続けにこの作品も読みふけった。
著者によると、主人公の中国残留孤児である陸一心(ルー・イーシン)の存在があまりにも強烈で、しばらく次作に取りかかる気力が果てた末、『沈まぬ太陽』の主人公のモデルになった方と出逢い、ふたたび書く気力を取り戻したのだという。
そんな書き手の葛藤を想うと、読む順番が逆だったのかも知れない。

僕自身も2000年、北京を旅して以来、何かと中国には想いがある。
この作品で、改めて文化革命の頃の中国が、民主主義を享受する日本との間に大きな隔たりがあったことを思い知る。
それは正に、今でいう北朝鮮への違和感と同一な、我々のファシズムに対する無知からくる脅威と同義なのだ。
『大地の子』は、我々日本人が感知し得ない一党独裁統一国家主義という脅威を、あくまで中国残留孤児の波乱に満ちた生涯を克明に描くことで、抑制の効いたヒューマンな表現を持ってして揶揄していく。
そして、日本人の血を持ちながら、中国という大陸の子、『大地の子』として生きることを決断する主人公の葛藤を通して、アイデンティティの深淵を知るのである。

今回は『沈まぬ太陽』では味わえなかった、困った現象に悩まされながら読んだ。
あまりに感極まる場面が多く、泣けるのだ。
電車の中である。
帽子を目深にしてひたすら周囲にわからないように、うつむいて読み続けた。なんとか涙が落ちる寸前で自分の感情をコントロールするのだが、
「独りになれる場所で、思いっきり泣きながら読みたい」と本心では何度もそう思った。


01daiti.jpg大地の子(1)02daiti.jpg大地の子(2)03daiti.jpg大地の子(3)04daiti.jpg大地の子(4)





banner2.gif
※お約束ですが、一つ!
スポンサーサイト


この記事へのトラックバックURL
http://boss48siki.blog47.fc2.com/tb.php/87-0e9b85bb
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。